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2010年3月10日

Q.小規模事務所用IT関連設備導入のポイントは?

小規模事務所用IT関連設備導入のポイントは?

  1. サーバーは必要?
    10名程度までなら、通常のパソコンをサーバー的に使って間に合わせることもできる。信頼性の高いデータバックアップが必要であればサーバーよりも手が掛からず、安価なNAS(Network Attached Storage)がお薦めだ。本格的なデータベースアプリケーションを動かすのであれば小規模事務所でもサーバーがあった方が良い場合もある。
  2. 最近のパソコンの標準的な構成
    CPUはIntelが「Core 2 Duo」の後継である「Core iシリーズ」をリリースした後、パソコンはデスクトップ型、ノート型とも急速にCore iシリーズを使ったものに移行している。OSはWindows 7の64ビット版、メモリは4GB、ハードディスクは500GBが標準的な構成。日本語を含むマルチ言語で使う場合はWindows 7 Ultimate版を選択する。モニターの売れ筋は22インチ~24インチのワイド型。LANは1Gbpsに対応している。ノート型は通常ワイヤレスLANインターフェースを内蔵している。IEEE802.11n対応のWLANインターフェースを持つ機種も増えてきている。
    参考:ノートPC故障率、メーカ別TOP9発表―米企業最新調査 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091120-00000004-rcdc-cn
  3. 無停電電源装置(UPS)
    シンガポールでは、停電は珍しいことだ。電圧も安定している。電流容量も日本と比較すると大きい。古いビルではショート、漏電等によりブレーカーが落ちることがある。雷による瞬断は多いが、最近のパソコン用電源は瞬断にも強くなっている。最近は殆ど聞かないが、雷によるサージ、あるいは電流の逆流により電源を入れていなくてもPCが壊れることがまれある。サーバーにはUPSを入れておいた方が良いだろう。一般のPCでは特に必要性は無いと思うが、古いビルでたまに停電するような場合は、入れておいた方が安心だ。
  4. 社内ネットワークは有線、それとも無線?
    インターネットにアクセスするだけなら無線LANでも良い。ファイル共有やネットワークを通してバックアップを行うなら有線LANの方がはるかに高速。
    データの転送速度は無線LAN IEEE802.11gで54Mbps、11nで300Mbps。有線LANは1Gbps(1000Mbps)。無線LANの場合は暗号化方式としてWPAとWEPがあるが、必ずWPAを使用すること。WEP形式は数分で解読可能と言われている。
  5. 有線LAN敷設時の注意点は?
    当社で配線工事を行う場合はCategory 6(10Gbpsまで対応)のケーブルを使用するが、シンガポールでは特に指定しない限り、Category 5E(1Gbpsまで対応)のケーブルが使われる。配線済みの事務所を借りる場合は、Category 5(100Mbpsまで)のケーブルが使用されている場合もあるのでチェックすること。1Gbpsで通信を行う場合は、パソコン側、集中配線装置(Switching HUB)、ケーブルが1Gbspに対応していなければならない。
    シンガポールでは、ちゃんとした配線工事を行える業者が少ないので注意が必要。
  6. 集中配線装置(Switching HUB)
    現在、社内LANの主流は1Gbps(1000Base-T)となっている。HUBには管理型(Managed)と非管理型(Unmanaged)の2種類がある。外部の人が使うことがあり、インターネットへのアクセスは許可するが、社内の共有フォルダ等の社内LANは見せたくない場合は管理型を導入する。
  7. プリンタお薦めは?
    複合機と呼ばれる、複写機、スキャナ、プリンタが一緒になったものが便利だ。インクジェットタイプもあるが、ランニングコストが高いため、写真等を印刷する必要が無ければモノクロレーザ形式がお薦め。カラーレーザタイプも安くなっている。コピー、印刷のボリュームが大きい場合は複写機メーカの複合機を選ぶ。複写機を選ぶ場合は保守サービスの良いところを選ぶことがポイント。また、Canon製のようにオゾン対策が進んでいる機種はほとんどオゾン臭がしないが、メーカによってはかなり強いオゾン臭の出るものがある。狭い居室内やスタッフの机の近くに設置する場合は注意が必要。
  8. ファイヤウォールは?
    ハードウェアで販売されているタイプは小規模用でも2,000Sドル(約14万円)くらいはする。一般的な事務所でルータを通してインターネットに接続する場合は、各パソコンにファイヤウォール機能を持つウィルス、スパイウェア対策用ソフトを入れておけば良いだろう。ファイヤウォールがあってもウィルス、スパイウェア対策ソフトは必須だ。さらにWindowsやOffice、Adobe Reader、Flashなどのセキュリティアップデートも必ず行うことが大切。
  9. 保守サービスのポイントは?
    問題が起きてからよりも、問題が起きないように事前の予防対策が重要。ハードウェアだけでなく、ウィルス対策やセキュリティアップデートが正しく行われているか、バックアップが正しく行われているか等、ソフト関連の保守も重要。

 

一般の会社では、ファイルの共有、ファイルのバックアップは最低限必要。しかし、それだけではもったいない。現在のパソコンは、一昔前の大型汎用コンピュータをはるかに凌駕する性能を持つ。オープンソースの利用等により格安で強力なITシステムを小規模の会社でも導入できるようになってきている。業務の効率化を考えているのならITプロバイダーに相談してみて欲しい。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.162(2010年03月01日発行)」に掲載されたものです。
取材協力=ヒューミント 川田康廣
本記事は一般的情報の提供のみを目的として作成されており、個別ケースについて、正式な助言なく、本情報のみに依存された場合は責任を負いかねます。

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