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健康相談

2012年8月6日

Q.スーツケースを引っ張ったときに肘に軽い違和感を感じました。その後あまり気にせず放置していたら、徐々に痛みが出てきて物を強く引っ張ることができなくなりました。何か良い対処方法はありますか?

テニス肘・ゴルフ肘・スーツケース肘・上腕骨上顆炎

テニス、ゴルフなどのスポーツや重いスーツケースを引っ張ったときに肘を痛めることがあります。手のひらを上に向けたときの親指側の肘が痛む場合、バックハンドテニス肘もしくは単にテニス肘と呼ばれ、小指側の肘が痛む場合、ゴルフ肘、フォアハンドテニス肘、スーツケース肘などと呼ばれています。ただし、親指側、小指側のどちらの肘が痛む場合でも、区別せずにテニス肘もしくはゴルフ肘と呼ばれることもあります。それらは正式には上腕骨上顆炎と言います。

 

上腕骨上顆とは上腕骨(二の腕の骨)の肘の部分の骨の出っ張りのことで、そこには手首や指を動かす筋肉の腱がくっ付いています。その腱の付着部の炎症が上腕骨上顆炎です。親指側の肘の障害を上腕骨外側上顆炎、小指側を上腕骨内側上顆炎と分類しています。いずれの場合も、加齢による筋力低下、運動前のストレッチ不足、ラケットやクラブの不適切な(下手な)スウィング、筋肉の酷使が原因となることが多いようですが、中には原因不明のケースもあります。テニスプレイヤーやゴルファー以外にも、肘の関節の曲げ伸ばしを繰り返す職業の人(農作業従事者、大工、歯科医など)や家事をする主婦などにも起こりやすいようです。

 

上腕骨外側上顆炎は、手首を伸ばす時や反らす時に働く筋肉・腱に過度に負担がかかることで生じることが多く、テニスのバックハンドで利き腕の肘の痛みが起こるのがその典型例です。ゴルフのスウィングで利き腕でない方に起こることもあります。

 

上腕骨内側上顆炎は、手首を手のひら側に曲げる時に働く筋肉・腱に過度に負担がかかることで生じることが多く、テニスのフォアハンドやゴルフのスウィングで利き腕の肘の痛みが起こるのがその典型例です。スーツケースを引っ張った時に起こることもあります。

 

治療法は、手術をせずに治す保存療法が主で、保存療法が無効な場合には手術が行われることがあります。以下が一般的な保存療法です。

 

  1. 冷却:痛みに気付いたら、まず患部を冷やしましょう。
  2. 安静:急性期は、まず痛みのある腕の手首をなるべく動かさないで安静にすることが大切です。
  3. 固定:前腕の肘に近い部分をテーピングやテニス肘用バンドで固定することで、筋肉の収縮による肘の部分の腱にかかる負担を軽減させることも有効です。
  4. 薬物療法:消炎鎮痛効果のある内服薬や外用薬を用います。痛みが強い場合は、患部に局所麻酔薬とステロイドを注射することもあります。
  5. 運動療法:痛みの強い急性期が過ぎれば、痛みを感じない程度に徐々に筋力トレーニングを行い、念入りにストレッチをして再発予防に努めましょう。
  6. 理学療法:慢性期には温熱療法、マイクロウェーブ、超音波などにより患部の血行を良くし、治癒を促す治療法もあります。

 

上腕骨上顆炎は、ほとんどの場合、保存療法で治癒しますが、急性期に適切に治療が行われないと完治するまでに1年近くかかることがあります。

 

日ごろから無理せずに筋力をつけ、正しいフォームでテニスやゴルフを楽しみ、運動前のウォーミングアップと運動後のアイシングで予防に努めましょう。また、重いスーツケースを片手で引っ張ることは避けましょう。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.217(2012年08月06日発行)」に掲載されたものです。

本記事は一般的情報の提供のみを目的として作成されており、個別ケースについて、正式な助言なく、本情報のみに依存された場合は責任を負いかねます。

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