シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXビジネスTOPデング熱は2度かかると死ぬと聞きましたが本当でしょうか?

健康相談

2010年10月18日

Q.デング熱は2度かかると死ぬと聞きましたが本当でしょうか?

デングウイルス感染症(デング熱・デング出血熱)

デング熱・デング出血熱といったデングウイルス感染症はデングウイルスをもったネッタイシマカやヒトスジシマカに刺されることで発症します。熱帯・亜熱帯地域のほぼ全域にみられ、特に東南アジア、南アジア、中南米で多く報告されています。デングウイルスには4つの型があり、一度感染した型のウイルスにはその後はかかりませんが、他の型のウイルスについては感染することがあります。デングウイルスに2度感染すると、デング出血熱を発症する頻度が高くなり重症化しやすいという報告があります。ただ、3度以上デングウイルスに感染することはほとんど報告されていません。「デング熱は2度かかると死ぬ」という話はそこから生まれたのではないでしょうか。もちろんデング出血熱は適切な治療が行われないと死に至ることがありますが、必ず死ぬわけではありません。デングウイルスに感染しデング出血熱となるのは数パーセントで、デング出血熱の致死率は地域により1パーセント以下から10数パーセントと差があります。

 

デング熱の症状としては、以下のものがありますが、他の感染症と比べデング熱のみにみられる特徴的なものはありません。そのため確定診断には血液等からウイルスやその遺伝子または抗体の検出が必要です。症状は通常1週間程度で消失し、明らかな症状が出ない場合や発熱のみで終わる場合もあります。

 

デング熱の症状:

  1. 発熱:デングウイルスをもった蚊に刺された3~14日後に突然の高熱が出ます。
  2. 痛み:頭痛、目の奥の痛み、筋肉痛、関節痛を伴います。
  3. 発疹:発熱の3~4日後より細かい赤い発疹が胸部に現れ、四肢、顔面へ広がります。
  4. 消化器症状:食欲不振、腹部の痛みや不快感、便秘などの症状を伴うこともあります。

 

デングウイルス感染があり、さらに以下の症状があればデング出血熱と診断されます。

 

デング出血熱の症状:

  1. 2~7日続く発熱:時には一旦解熱し、再び発熱するパターンがみられることがあります。
  2. 出血傾向:皮下出血(あざ)、鼻血、吐血、下血、血尿などがみられます。
  3. 血小板減少:止血する働きがある血小板が少なくなります。発熱がおさまってから悪化することが多く、血液検査で経過をみることが大切です。
  4. 血漿漏出:血漿(血液の液体成分)が血管から浸み出しやすくなり、胸水や腹水となります。また、血管の中の血液が少なくなることで血圧が下がり、ショック状態となることがあります。

 

デング熱の治療は痛みや発熱に対するものが主ですが、デング出血熱では輸液や時には輸血が必要となることがあります。解熱鎮痛剤として良く知られているアスピリンは出血傾向を増悪させることがあるので、デングウイルス感染症の治療には使えません。とにかくデングウイルス感染症を疑う症状があれば医療機関を受診しましょう。

 

デングウイルス感染症に対しては何と言っても予防が大切で、ワクチンがないため感染地域で蚊に刺されないことが唯一確実な予防方法です。防虫スプレー、蚊取り線香、蚊帳なども有効です。特に、夕方から夜間にかけては蚊が多く発生するので注意しましょう。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.117(2010年10月18日発行)」に掲載されたものです。

本記事は一般的情報の提供のみを目的として作成されており、個別ケースについて、正式な助言なく、本情報のみに依存された場合は責任を負いかねます。

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