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会計・税務相談

2006年12月16日

Q.弊社では、リースにより工場に新しい機械を入れることを検討しています。リースに関する会計上及び税務上の取り扱いについて教えてください。

リースに関する会計上・税務上の取り扱い

リースは、会計上、ファイナンスリースとオペレーティングリースに分類されます。ファイナンスリースは、リース資産の所有権に伴う権利義務が実質的に全て借手に移転されるリースを指し、そうでないものはオペレーティングリースとされます。

 

 リースがファイナンスリースであるか否か、すなわちリース資産の所有権に伴う権利義務が借手に移転されるか否かは、単に契約上の法的な権利義務のみでなく、以下のような基準に照らし合わせ、実質的な権利義務の移転の有無によって判断されます。

 

  • リース期間満了までにリース資産の所有権が借手に移転するか。
  • リース資産の時価よりかなり低い金額による購入選択権が借手に与えられており、借手がそれを行使する可能性がほぼ確実であると考えられるか。
  • リース期間がリース資産の経済的耐用年数の主要部分を占めているか。
  • 最低リース料総額の現在価値がリース資産の時価にほぼ近い金額であるか。
  • 特注仕様である等、借手以外の者が大きな改造をせずにリース資産をそのまま使用することが難しいか。

 

ファイナンスリースの場合、借手は、リース開始時におけるリース資産の時価又は最低リース料総額の何れか低い方の金額をリース資産及びリース債務として貸借対照表に計上します。毎回のリース料の支払いは、リース借入金の返済部分と利息部分に分け、返済部分は負債に計上されたリース債務から減額し、利息部分は金融費用として損益計算書に計上します。

 

オペレーティングリースの場合、借手は、リース料について、原則として定額法に基づき、対応するリース期間に亘り費用として損益計算書に計上します。

リースの税務上の取り扱いは、会計上のファイナンスリース及びオペレーティングリースの分類によって異なります。

 

会計上、ファイナンスリースに分類された場合には、他の固定資産と同様にキャピタルアローワンス(税務上の減価償却)が認められます。オペレーティングリースに分類された場合には、期中に費用として認識されたリース料について損金算入されます。但し、乗用車のように、例外的にキャピタルアローワンスやレンタル費用の損金算入が認められない資産がありますので、ご注意ください。

取材協力=Price Waterhouse Coopers

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.087(2006年12月16日発行)」に掲載されたものです。

本記事は一般的情報の提供のみを目的として作成されており、個別ケースについて、正式な会計士の助言なく、本情報のみに依存された場合は責任を負いかねます。

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