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会計・税務相談

2006年4月17日

Q.シンガポールの予算演説で発表された税制改正のうち、一般企業に関係ありそうな内容について、要点を簡単に教えてください。

シンガポールの税制改正

シンガポールの2005/2006年度予算案は、2006年2月17日にリー・シェンロン財務大臣により発表されました。予算案に含まれる税制改正案は、シンガポール政府が基幹産業に挙げる金融業、海運・物流業、製造業及び知的産業を重点的に後押しする内容になっています。今日は、特に一般企業に関係がありそうな内容について説明します。

 

  • 所得税率
    法人所得税の標準税率は、当面20%のまま据え置かれます。個人所得税の居住者最高税率は、2005賦課年度まで22%でしたが、2006賦課年度には21%、2007賦課年度には20%に引き下げられます。最高税率の引き下げに対応して、累進税率の全ての段階の税率が0.25%~1%ずつ引き下げられます。
  • 認可持株会社
    認可持株会社に認定された会社が保有する会社株式について、発行済株式の50%以上かつ18ヶ月間以上保有する場合には、株式の売却益についてキャピタルゲイン(すなわち非課税)として取り扱うことが明確化されました。
  • 移転価格税制
    IRASは、2006年3月23日に移転価格税制に関する通達を発行し、シンガポールにおいても移転価格税制ガイドラインが法制化されることとなりました。
  • 金庫株による株式報酬
    ストックオプションの行使等において、会社が市場から取得した金庫株を譲渡する場合には、その金庫株の取得費用について損金算入できるようになりました。
  • 研究開発及び知的財産権
    シンガポール企業による研究開発事業やシンガポール企業への知的財産権の移転を促進するために、以下のような税制改正が導入されました。

 

1. 認可された共同研究開発事業契約に基づいて発生する研究開発負担金について、1年の加速償却が認められます。

2. 知的財産権について、経済的所有権のみ移転され、法的所有権が移転されない場合にも、5年のキャピタルアローワンスが認められます。

 

  • 工業用建物アローワンス(IBA)
    工業用建物に認められるキャピタルアローワンスの要件が緩和されました。

 

1. 25年未満の定期借地権の土地に新築される建物にもIBAが適用されるようになります。

2. 中古の建物を取得した場合に、過去に工業用建物として使用されていなくても取得後工業用建物として使用される場合にはIBAが適用されるようになります。

 

3. 工業用建物を購入した場合の償却金額は、建物の建設費用又は取得価額の何れか低い方の金額に基づいて算定されていましたが、建物の建設費用に関係なく取得価額に基づいて算定されるようになります。

4. 建物の初代使用者が最初に使用してから50年以上経過した建物にも平年度控除(AA)が認められるようになります。これにより、中古の建物を取得した場合にも、取得時の使用年数に関係なく一定の償却率(未発表ですが、現行法に準ずるならば3%になると予想されます)でAAが計算されるようになります。

 

  • 海外の顧客への工具の供給にかかるGSTに0%税率を適用
    受託製造業者が海外の顧客から受注した輸出品の生産に使用する工具(金型等)の代金を請求する場合に、輸出品と同様に0%が適用されるようになります。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.072(2006年04月17日発行)」に掲載されたものです。

本記事は一般的情報の提供のみを目的として作成されており、個別ケースについて、正式な会計士の助言なく、本情報のみに依存された場合は責任を負いかねます。

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