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2004年8月16日

自分のミッションを達成することが一番の目標です

シャープ・ロキシー・セールス・シンガポール社長 貫里弘幸さん

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シャープ・ロキシー・セールス・シンガポール社長の貫里氏の夢は世界に通用する経営者になること。どんな事業でも挑戦してみたい。
そこには若さと情熱が溢れる。

 
出身は島根県。高校時代から親元を離れ、下宿生活を始めた。大学からは、賄い付きの奨学生として朝夕新聞配達をしながら学業を続けたガッツの持ち主だ。
もちろん初めは新聞販売店で見た人間模様に圧倒された。そこで厳しい現実と対面し、生きた社会経験として学んだことは多い、と貫里氏は言う。いろいろな意味で社会の底辺を見た思いであったという。そこで、たくましさを身につけ、「この先、何をやっても食べていける自信がつきました」と当時を振り返る。

 
新聞配達は仕事に対する「責任感」を培う良い機会ともなった。朝夕ともに400軒にきちんと新聞を配達するのは、まさに時間との戦いだ。毎日決まった時間に新聞を配ることは客から期待されている義務であり、貫里氏の義務でもあった。途中で投げ出すことなく、職務を全うすることに対する強い使命感は、そのときから貫里氏の中に息づき始めた。
貫里氏の大学での専攻はスペイン語。また米国在住の姉のもとを時折訪れて生のアメリカ英語にも触れる機会があった。貫里氏は現在でも日本人では比較的珍しい立派なトライリンガルなのである。

 
当時エレクトロニクスや半導体の全盛期で、若手を登用する自由な社風にあこがれてシャープに入社。最初の2年はスペイン語を生かして中南米、西アフリカを担当。まだテレックスの時代だ。 そして入社5年目に米国テネシー州にある工場への転勤を命ぜられた。米国内の営業とマーケティング担当となり直属の上司はアメリカ人だ。これまでとは環境も違えば、仕事内容もまったく違う。仕事の進め方がわからない。新聞配達で養ったガッツを持ってしても、米国での暮らしが軌道に乗るまで半年かかったという。 しかし一旦慣れれば、仕事にも場所にも愛着が湧いた。途中何度か帰国がささやかれた折には、「現地採用として居残ろうかと、真剣に検討した」ほどだという。

 

そして7年のアメリカ赴任を終えて帰国。東南アジア担当となり、当時の社長について、インド、中国、香港と海外視察に回ったこともある。 シンガポールは担当地域のひとつとして、出張で何度も訪れていたので、人、場所、仕事内容ともなじみがあった。そのため「シンガポール赴任は違和感なくスムーズに行きましたね」。 シンガポールでは、人を観察して、声をかけるタイミング、内容に心を配る。 上下関係、年功序列を重視する時代ではない、という貫里氏はあくまで実力主義に重きを置いている。そして、そのための部下育成を怠らない。「与えられた責任を全うしようとしない人に対しては厳しいですよ」と言いながらも、貫里氏は人情に厚く、人と人のつながりを重要視していることが言葉の端々から垣間見える。「人は城、人は石垣」という武田節の一節が好きだということからも、そのことがうかがえる。

 

シンガポールでは、社内改革にも意欲を燃やす。まず、情報家電部とマーケティングを統合するなどセクショナリズムを一掃することに取り掛かった。そして部門にまたがる事業を統一して、ローカル中心のプロジェクトとし、全員が一丸となって取り組む体制に変えた。またマーケティングを社長直轄の部門とした。 そして人は大事、コミュニケーションは重要という、その信念に基づいて、社長室のドアは常に開いたままだ。常に開けてあるドアから社員が気軽に入り、仕事の相談ができるオープンな社内環境を作り上げた。 今後は付加価値のあるサービス、商品を提供したいという貫里氏。価格競争にとらわれることのないよう、業務内容も含めて事業構造を変えていきたい。変革にはエネルギーが必要だ。それを引っ張っていくリーダーシップを発揮して、社員をまとめ、一枚岩となって立ち向かいたいと思っている。

 

シンガポールでは、これまでの歴代社長の平均的な在任期間は大体3、4年。その期間に自分のミッションを達成することを常に念頭においている。つまり売り上げを拡大して親会社に配当をもたらす義務を達成することだ。 好きな言葉は相田みつをの「夢はでっかく根は深く」という貫里氏。異文化で生きていくにはしっかり根を張って、自分らしく、と考えている。その情熱で貫里氏は自らに課す高いハードルを今後も乗り越えていくに違いない。

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貫里弘幸(ぬいざと ひろゆき)

1983年株式会社シャープ入社。縁あってめぐり合った奥様と4歳のご子息との3人暮らし。ご子息には日本人のアイデンティティを忘れずたくましく育って欲しいそうだ。家庭的な和食が好き。ちなみに苦手なのはラクサなどココナッツミルクがベースのもの。
 

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