シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXビジネスTOP任意加入すれば、年金はどれだけ増えるの?

海外進出「社会保険・労務管理」

2015年11月16日

Q.任意加入すれば、年金はどれだけ増えるの?

シンガポール在住7年近くになる者です。友人に「将来年金は海外にいてももらえるので、少しでも増やしたほうがいい」と国民年金の任意加入を勧められました。任意加入すると、どのくらい年金が増えるのでしょうか?(Kさん)

国民年金は原則、日本に住所がある20歳以上の方が対象になるため、日本での住民票を除いて海外に居住されている方は加入の対象とはなりません。したがって、国民年金に加入したい場合はご自身で任意加入の手続きをする必要があります。

 

気になる将来の年金の増額幅ですが、老齢基礎年金(国民年金)は20歳から60歳まで40年間(480月)全て納付した場合に年780,100円(2015年度)もらえます。ですから、逆に言えば780,100円÷480月を計算すれば、保険料を1ヵ月納めるごとに年額約1,625円増額されることがわかります。そして、保険料は月15,590円(2015年度)ですので、15,590円÷1,625円≒9.5年となり、計算上は年金の受給開始から約9年半以上経過(75歳以上生存していれば)すれば元が取れるという計算になります。なお、2年で元が取れる付加年金にも合わせて加入することをご検討されてはいかがでしょうか。

 

任意加入の手続きは①日本で手続きや郵送物を受取る協力者を決める②協力者に年金事務所から「国民年金被保険者関係届書」を取り寄せてもらい加入者本人が必要事項を記入する③協力者が上記書類と委任状を持参して、出国前の加入者本人の住民票住所地を管轄する年金事務所で手続きをすれば完了です。本人が郵送で直接手続きすることも可能ですが、不備等があれば手間が掛かるので、ご家族等を協力者として手続きされることをお勧めします。

社労士大槻オフィスシンガポール

80 Robinson Road #10-01A Singapore 068898
ご相談は、Emailにてご連絡ください(担当:武田 正行)

文=社労士大槻オフィスシンガポール

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.292(2015年11月16日発行)」に掲載されたものです。

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