着心地がよく長持ちする服を通じて 日本のよきものづくりを世界へ伝える

日本で誕生し、ニューヨーク、パリ、台北、香港、中国で展開するアパレルブランド「45Ｒ」を手掛ける45ｒｐｍ（フォーティファイブアールピーエムスタジオ株式会社）がシンガポール現地法人Heritage R Pte Ltdを設立。今年5月にキャピトル・ピアッツァに第1号店を開店した。

45Rは着て心地よく、丈夫で長持ちする服をコンセプトとしている。それは、日本が誇るものづくりの精神そのものともいえる。　Heritage R Pte Ltdジェネラル・マネージャーの戸松愛さんは、45Rの特長の一つとして素材へのこだわりを挙げる。

「製品の企画、製造、販売までを自社で行っています。これは、デザインを既製の生地に当て込んで、縫製工場につくってもらう方法が一般的なアパレルメーカーとは一線を画す、当社のこだわりです。例えば、100年の間使われてきたヴィンテージの服の生地を顕微鏡で見て研究し、糸をつくることから始めます。ほかにはないものをつくるという姿勢を当社では『ないものづくり』と呼んでいます」。

アパレルメーカーの多くがいろいろなブランドを展開しているのに比べ、45ｒｐｍは「45R」ブランドのみという点も珍しい。そして、この45rpmという社名は45 Revolutions Per Minute、すなわちレコード盤の回転数に由来し、擦り切れるまで聞き込まれるレコードのように、長く着込まれる服でありたいという思いが込められている。また、ブランド名のRには、Rising Sun、Refreshといった意味が込められ、ロゴではRは横になって寝ているように置かれる。この「スリーピングR」は安定のイメージと、地域にしっかり根ざすという企業の姿勢を表しているという。

「いいものを長く着る」新しい価値観をシンガポールに

45Rは独自開発の染料で毎年違う藍インディゴ色を提案する「藍・インディゴ・トラディショナル」、Tシャツ、バンダナ、デニムの「三位一体」、季節感を感じさせる「旬」をブランドの要素としている。

「シンガポールの店ではメンズ、レディスを扱い、常夏のこの国で1年を通じて着ることができるスタンダードなTシャツは色やデザインを豊富に、日本の四季を感じさせる春の花、秋の花といったプリント柄も揃えています。ファストファッションが主流のこの国で、質がいいものを長く着るという新しい価値観を提案したい。藍染めのように時を経るごとに味わいが増していくものも楽しんでほしいのです」。

日本および海外でカルト的なブランドとして知られる45R。シンガポールでの認知度アップが当面の目標だ。　「ブランドについて知ってもらうことは大切なのですが、大々的に広告をして認知度を上げるよりも、まずは着ていただいてよさを知っていただくことが重要だと考えています。今はお客様の80％は地元の方で女性が多いです。常連のお客様も増え、『本当に着心地がいい』という声もいただいています」。

HeritageRでは、シンガポールでの店舗展開として、オーチャードエリアへの出店も視野に入れている。

会社プロフィール

1977年、レディースブランド「45rpm」第１号店を渋谷に開店、78年にフォーティファイブアールピーエムスタジオ株式会社を設立。「45R」ブランドを展開し「気持ちのよい服を世界中の人たちに喜んで着ていただく」ことをモットーにつくり手・お客様・地域社会への貢献をめざす。日本に46店舗、海外に13店舗を展開（2015年4月現在）。本社東京都港区南青山。

Heritage R Pte Ltd

13 Stamford Road, #01-13/14 Capitol Piazza, Singapore 178905

Tel: 6702-3545

www.45rpm.jp