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嶋津良智の「リーダーにつける薬」

2010年4月5日

間違ったワークライフバランス

今月はワークライフバランスについてお話ししたいと思います。

実は、私はこの言葉に相当違和感を感じています。なぜなら、本当の意味でワークもライフも充実させている人は、決してその二つを分けた生き方をしていないということです。ライフの一部がワークだという生き方をしている人が、本当の意味での幸せや豊かさを感じている気がしてなりません。逆をいえば、ワークとライフを分けている人ほど、意外と幸せでなく、本当の意味での豊かさを手にしていない気がします

 

 

あなたは、人生は突き詰めると3つのカテゴリーに分けられることをご存じでしょうか?それは、「睡眠」「プライベート」「仕事」です。1日24時間ですから「睡眠8時間」「プライベート8時間」「仕事8時間」、8時間×3=24時間、これは最高の時間の使い方だといわれています。ところが、現実として多くの残業もしますし、通勤時間なども仕事の一部と考えれば、働いている限り、圧倒的に仕事に費やす時間が多いのが分かります。

 

 

このもっとも時間を費やす「仕事」が、やり甲斐がなかったり、楽しくなかったりして、どうしてライフの充実があるのでしょうか?人生の大変多くの時間を費やす仕事が充実していなくて、私的な充実はあり得ないといっても過言ではありません。
要するに、仕事を充実させない限り私的な充実がないということは、本当の意味で人生の幸せや豊かさ・楽しみを感じるには、分けること自体に無理があるということなのです。 そう言う意味では、ワークライフバランスではなく、ビューティフルライフの方が正しい気がしてなりません。

 
仕事が「できる」「できない」をX軸、プライベートが充実「している」「していない」をY軸で切ると、以下の4つのパターンに分けられます。

  1. 仕事もプライベートも充実している人
  2. 仕事は充実しているが、プライベートは充実していない人
  3. 仕事は充実していないが、プライベートは充実している人
  4. 仕事もプライベートも充実していない人

さて、あなたは、どの人でいたいですか?また、本当の意味で仕事ができて、豊かさも、幸せも、楽しさも手に入れている人はどの人だと思いますか?

 

 

ぜひ、ワークとライフを分けずに、ライフの一部にワークを組み込み、「どんなビューティフルライフを送るか?」を考えて欲しいと思います。

文=嶋津良智(しまづよしのり)


株式会社リーダーズアカデミー
代表、シンガポール在住。
2度の株式上場体験を活かし、日本・シンガポールを始め、アジアを中心に経営コンサルとして活動。世界9ヵ国12都市でチャリティーセミナー実施。
最強の部下を育成し、最強の組織を作る、業績向上のための独自プログラム『上司学』が好評を博す。著書7冊執筆、韓国・台湾でも翻訳されている。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.164(2010年04月05日発行)」に掲載されたものです。

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