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嶋津良智の「リーダーにつける薬」

2011年6月6日

情報共有の極意―(1)

先日ある方から「成功・失敗事例の共有をどのようにしたらいいか」という質問を受けました。せっかくなのでお話しさせていただきます。

 
事例の共有だけでなく、情報共有というのはどこの会社でも意外と課題になっているものです。ある意味情報は「商品」と考えたら、「提供したい」と思う人とその情報を「得たい」と思う人がいて初めて需要と供給が成立し、情報共有されるというビジネスが生まれると考えることができます。

 
ということは、成功・失敗事例の情報共有は、情報を提供したいと思う人と、情報を得たいと思う人がいるからこそ成立するものだと考えてください。

 

 

そこで、情報共有をする(したい)と思っている従業員たちがいる企業文化が非常に重要な役割を果たしてきます。

 
しかし、よくあるパターンが、情報共有をすることが大切だということがどの企業も分かっているからこそ、わざわざシステムを組んでIT化したり、社内ホームページに書き込んで共有するように促すなどテクニカルなことを先行させて、結局情報を書き込む人もいなければ見る人もいないという、企画倒れに終わってしまうパターンです。

 

 

私はまず「情報を共有した方が得だ」、「情報を提供したい」、「いい情報を得たい」と従業員自らが思ってもらえるような企業文化を根付かせる仕組み作りから始めてみるべきだと思います。

 
そのためには「全社での情報共有をしたい」と欲張らず、まずは各部門内で徹底して行うべきです。それであれば、部門長にその気さえあればいくらでも方法はあるはずです。

次回はその具体的方法について一例を紹介させていただきます。

 

 

ビジネスセミナー リーダーズボイスVol.6開催!

アジアエックス主催ビジネスセミナー リーダーズボイス Vol.6「日本人のための、世界を動かすグローバル仕事術」が6月29日(水)午後3時より日本人会館2階ボールルームにて開催されます。
講師は、1,000人規模のセミナーを次々と成功させ、経営者やマーケティング担当者から絶大な支持を集めている鳥内浩一氏。セミナーの第一部は鳥内氏による講演、第二部は同セミナーを共催するリーダーズアカデミーの嶋津氏と鳥内氏との対談という二部構成です。セミナー終了後には懇親会も開催されます。ぜひご参加ください。

文=嶋津良智(しまづよしのり)


株式会社リーダーズアカデミー
代表、シンガポール在住。
2度の株式上場体験を活かし、日本・シンガポールを始め、アジアを中心に経営コンサルとして活動。世界9ヵ国12都市でチャリティーセミナー実施。
最強の部下を育成し、最強の組織を作る、業績向上のための独自プログラム『上司学』が好評を博す。著書7冊執筆、韓国・台湾でも翻訳されている。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.190(2011年06月06日発行)」に掲載されたものです。

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