シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXビジネスTOP「できる」社員の6ヵ条

嶋津良智の「リーダーにつける薬」

2012年8月6日

「できる」社員の6ヵ条

私は経営アドバイスをしていて、「どんな人間がビジネスマンとして成功しているのだろう?」と考えることがあります。

 
たまたま、先日顧問先の社長様と夜、食事をしながらこの話題が出ました。その時、私の経験から以下6つの人的ベースを持った人が成功する確率が高いのではないかという話をさせていただきました。

 
1つ目は『素頭』。「思考」という言い方もできるかもしれません。要するに、物事を考える力です。難しいことをやさしく、浅いことを深く、つまらないことをおもしろく考えることのできる思考は、仕事をしていく上で、やはり必要なベースではないでしょうか。

 
2つ目が『素直さ』です。武道の世界で「守・破・離」という言葉がありますが、まずは素直に真似て盗んでみて、次に学んだことに自分なりに少し変化を加えてみて、最後に自分としてのスタイルを確立するということです。何よりもスポンジのように物事を吸収し、学んで成長していくためにも、素直さというベースは欠かせないでしょう。

 
3つ目は『好奇心』。「向上心」と言い換えることもできます。物事に対して「なぜ」「なんで」と普通の人では感じない素朴な何かを感じる力は、人を成長させる上で欠かせないベースであると考えます。

 
4つ目は『負けず嫌い』。これは、もしかしたら賛否両論あるかもしれませんが、私は非常に重要視している人的ベースです。実社会は現実競争社会であり、やはり人を成長させるエンジンの1つとして「自分に負けたくない」「あいつに負けたくない」「誰にも負けたくない」「人にできることは俺にできないわけがない」など、人を成長させるエンジンとしては大切なベースではないでしょうか。

 
そして、5つ目が『責任感』。これが強いと、物事を途中で投げ出したり、逃げたりすることもないですし、目標達成にも最後まで食らいつき、人にとやかく言わせない仕事をしてくれるので、上司としては非常に楽なタイプです。

 
そして、最後の6つ目が『行動力』です。やはり優秀な方は「行動が成果を変える」という大原則を理解しており、決断をしてからの行動が早いですね。

 
こう考えてみると、この6つの人的ベースを見極める採用をすれば、後は採用後の教育と現場での仕事がその人を成長させていくのではないでしょうか。
しかし、上記6つの人的ベースを活かすも殺すも、結局は上司次第のような気がします。ぜひ、優秀な上司として部下を育てるためにも、私の著書『だから、部下がついてこない!』『あたりまえだけどなかなかできない「上司のルール」』『朝60分で部下が変わる!』を読んで欲しいと思います(笑)。

文=嶋津良智(しまづよしのり)


株式会社リーダーズアカデミー
代表、シンガポール在住。
2度の株式上場体験を活かし、日本・シンガポールを始め、アジアを中心に経営コンサルとして活動。世界9ヵ国12都市でチャリティーセミナー実施。
最強の部下を育成し、最強の組織を作る、業績向上のための独自プログラム『上司学』が好評を博す。著書7冊執筆、韓国・台湾でも翻訳されている。

 

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.217(2012年08月06日発行)」に掲載されたものです。

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