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地域統括組織なんていらない?

2014年7月7日

集中と分散/分散の括り/ロケーション

これまで、グローバル最適を実現するために地域統括組織に求められる以下の6つの機能を紹介してきました。

  1. 地域マネジメント
  2. 地域ガバナンス
  3. シェアードサービス
  4. ノウハウ展開
  5. シナジー発揮
  6. 事業開発(M&A)

今回は、上記の機能をグローバル最適で遂行するための組織体制実現に向けた3つのポイントを紹介します。

 

集中と分散

世界を俯瞰してグローバル最適を考えるグローバルの司令塔機能は、集中的に実行せざるを得ないことは明らかです。しかし、それ以外の機能については、集中的に行うか、分散的に行うかは前提条件(例えば、標準化)によっても変化します。最大のポイントは、集中と分散は、企業そのものの競争優位を創り出している中核能力に依存することです。中核能力を発揮するために何を集中化するのかを決める必要があります。

 

分散の括り

分散的に機能を遂行する場合、分散する単位(括り)は必ずしも地域統括組織が管轄する「地域」とは限りません。例えば市場を基準とした括りは、必ずしも地理的に近接しておらず、地域統括組織の「地域」の枠を越えた広がりを持つことが少なくありません。典型的な例が新興国市場です。例えば米州には南米といった全く市場の異なる新興国地域が含まれます。機能の観点でも同様です。例えばシェアードサービス機能のように、タイムゾーン以外は規模の経済を追及出来る単位で括るほうがより成果がでることは明らかです。

 

ロケーション

ロケーション選定で考慮すべきポイントは、ビジネスのし易さ、ビジネスコスト、優秀人材へのアクセス、重要市場へのアクセスの4つです。機能によって重視するポイントは異なりますが、重要なことは、競争に勝つためにどこでその機能を実施するのがベストかを広い視野で判断することです。

 

ここまで見てきたように、グローバル最適を考えた場合、それぞれの機能が必ずしも地域という括りの中に収まるわけではありません。以下の図のように、機能によっては地域を越えた括りになります。

 

一方で、グローバル最適実現化を待っていては大きな遅れをとってしまう可能性もあるので、まずは地域統括主導で将来のグローバル最適の再編につながる以下のような動きを開始する必要があります。

  1. グローバル最適の方向性確認
  2. 域内スケールメリット実現
  3. 域内ノウハウ展開
  4. 権限マトリックスの整理
  5. 域内見える化の推進

ポイントは、あるべき将来像を見据えて今すべきことを実施していくことです。

最終回は、地域統括のIT部門についてご説明いたします。

著者=原 市郎/執行役員 CIO 兼 東南アジアビジネス開発担当部

東南アジアでのビジネス拡大と併せてアビーム社内のグローバル情報システムも統轄。当事者とコンサルタントの2つの目を持って、ITから戦略まで、日系企業のグローバリゼーションをサポートします。

アビームコンサルティングは、グローバル4300人、日本を除くアジアに1100人のコンサルタントを抱える、日本発のグローバル総合コンサルティングファームです。戦略からIT、アウトソーシングサービスの提供を通じて、企業のリアルパートナーになることを目指しております。
日本企業のグローバル化をサポートするご提言を、アビームリサーチレポートとして数多く発刊しております。詳しくはWEBサイトをご覧ください。また、直接メールにお問い合わせ頂いた方に、本レポートを無料でご提供致します。

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この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.260(2014年07月07日発行)」に掲載されたものです。

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