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ビジネス体験・日本流とシンガポール流

2013年11月18日

シンガポール日本人社会と国際化

日本の国際化が言われてかなりの年月が経ちます。この数年の“円高”、“少子高齢化”の影響でも国際化は進んでいます。

国際化の内容を見てみると、日系企業の海外への新規進出および日本人の個人としての海外進出(移住)が挙げられます。

 
日系企業の海外への新規進出は、日本の国際化にとって良い事なのですが、シンガポールでは、かなりの部分で日本国内の事業がそのまま継続されています。すなわち、シンガポールに進出して、当地の日系企業と商売しているのです。これでは日本の国境線がシンガポールまで延びて来たにすぎません。

 
さらに、良く見られるのが、商売の契約書が日本語のみで日本法準拠、裁判/仲裁地も日本となっているものです。シンガポールが日本の国内になったのと同じ状態で、商売が継続されています。これでは、日本から出て行ってしまった仕事を取り返しているにすぎません。無くなったはずの仕事が元に戻ったということであり、業務拡大にはなっていません。当地に進出し現地企業や欧米企業と商売するのであれば、“円高”や“少子高齢化”により縮小した日本国内の事業の拡大になりますが、現状維持にすぎないのです。という事は、日本の人口減少を考慮に入れれば、規模縮小という事にもなります。真の意味での日本経済の拡大にはなっていません。

 

 

本来の国際化とは、海外に来て地場企業や外国籍企業との商売を拡大していく事と考えます。シンガポ-ルを含めたアセアン諸国には新規事業の案件がたくさん埋もれています。事業、商売の相手方はアセアン諸国の政府であり、民間企業であり消費大国になりつつあるアセアン諸国の消費者です。そこで商売ができれば、日本国内の事業縮小をカバーし、日本全体として事業規模を拡大することにもつながります。

 

 

また、日系企業のシンガポール進出を支援する動きに連動して、日本人個人がシンガポールへ移住してきています。起業家だけでなく従業員を含めてかなりの人が動いています。
個人として当地の経済活況を取り込むのであれば、日系企業のみをターゲットにするのでなく、地場企業、欧米企業へ職を求めるのも、もう一つの方法でしょう。その場合、当地は資格社会に付き、ある程度の資格を所有している必要があります。また、日系企業を対象とした事業を行っている企業が就職の対象となるでしょう。

 
シンガポールの地場企業や欧米企業などには、地元の従業員の他、周辺の新興国出身で資格を持ったプロフェッショナル、さらには欧米出身のプロフェッショナルも多数働いています。日本人もこの辺の職種に就くと、報酬および今後の人生設計でも新たな道筋が見えてくるでしょう。これこそが今後の日本の国際化の目指すべき方向ではないでしょうか。

 

 

今月のスナップショット

この花の名前は薄紅苦菜。ウスベニニガナと読みます。シンガポールでは結構咲いている美人系の花です。(撮影:丸茂 修)

文=ケルビンチア・パートナーシップ法律事務所・丸茂 修

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.246(2013年11月18日発行)」に掲載されたものです。

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