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シンガポール経済分析

2005年7月4日

観光振興を目指すシンガポール:渡航者数の動向

4月18日リー・シェンロン副首相は、セントーサ島とマリーナ・ベイの2カ所にカジノを含む総合リゾートを開発すると発表した。早ければ2009年にも完成する。これにより観光客が増加し、輸出主導型のシンガポールの産業構造が多様化することで経済に安定性が増すことが期待されている。本プロジェクトの開発費は50億Sドルが見込まれ2004年のシンガポールの名目GDP額と比較すると2.7%超にも達する。

 
今回の総合リゾートのメイン・ターゲットは海外からの来訪者である。1998年のアジア通貨危機と2003年のSARS(新型急性肺炎)の時期を除くとシンガポールへの渡航者の数は増加トレンドにある。2004年には832万人に達し今年は900万人近くになる見込みだ。一方で、アジア太平洋地域における総渡航者に占めるシンガポールへの渡航者のシェアは1993年の13.1%から2002年には6%へと低下しており、観光地・訪問地としての魅力をさらに高めるために何らかの対策が必要になっていた。渡航者の平均滞在日数も1993年の3.57日から2005年4月には3.30日へと短くなっているが、新しい施設ができれば滞在日数の延長にも効果がありそうだ。

 
シンガポールへの渡航者の内訳を見ると、まず経済が回復してきた隣の大国インドネシアからの渡航者が2004年に176万人へと前年比42万人の大幅増となったのが目立つ。在シンガポール日系百貨店からもインドネシア人客の購買増加が売上増に寄与しているとの話が聞こえてくる。また、2004年には近年中国からの渡航者が88万人へと1994年の16万人から5倍以上に増えている。中国の経済発展とともにシンガポールは観光面でのメリットも享受できそうである。さらにインドからの渡航者も増えている。一方で1995年に118万人いた日本からの渡航者は2004年には60万人まで減少し低迷している。総合リゾートの完成が日本人観光客に新たなシンガポールの魅力を提供することが期待される。

 

 

 

シンガポールへの渡航者数推移

(出所)シンガポール政府統計、CEICよりUFJ銀行作成、2005年はUFJ予測

協力=UFJ銀行シンガポール支店
文=経済調査班 北村広明

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.051(2005年07月04日発行)」に掲載されたものです。

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