シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXビジネスTOP第9回:雇用可否、人件費負担、給与計算実務の考慮

シンガポール事業手引書

2013年4月15日

第9回:雇用可否、人件費負担、給与計算実務の考慮

前回は連結決算についてご紹介しましたが、今回は、従業員を採用する際に考慮しなければならない雇用の可否と雇用主の人件費負担、それから給与計算実務に関するご紹介です。

 

 

シンガポールはいまや、東南アジアに留まらず世界中からヒトが集まる人材の集積地であり、民族・国籍の多様化による人材の選択肢の多様性は大きな魅力となっていますが、どのような人材をどのような給与額で採用するかにより、直接的な人件費の負担増減のみならず雇用の可否自体、つまり就労許可証が発給されるか否かも変わってきますので注意が必要です。

 

 

まず、日本人を雇用する場合、学歴や年齢、給与額等によりEPかSパスという就業許可となるのが通常(連載第3回参照 )ですが、EPの条件を満たさないためにSパスの発給を受ける場合には別途一定人数のシンガポール人の雇用が必要となり、さらにはFWL(外国人雇用税)の負担が数百ドル発生しますので、結局は給与額を増額させてEP発給を受けた方がよいケースも多いでしょう。

 

 

また、日本人でもPR(永住権)保持者を雇用する場合は基本的に学歴や給与、シンガポール人の雇用等に左右されず雇用が可能ですが、別途CPF要積立金額の会社負担分(通常は給与等の16%)が発生するため、雇用主の人件費直接負担額は(給与の額面金額に対して)割高になることを考慮に入れなければなりません。

 

 

ほかにも、従業員の国籍を問わず会社が負担しなければならないSDL(Skills Development Levy)が一人おおよそ10ドル前後、さらには従業員の民族ごとに決められた4種類の基金拠出(給与控除)などがあり、給与計算の際にはこれらを考慮しなければなりません。

 

 

2013年2月25日に発表された予算案では、低所得のシンガポール国民の昇給金額に対する多額の補助金やCPF要積立金額の引き上げ、外国人雇用税の負担増、Sパス発給の最低賃金引き上げ、発給枠の縮小など、外国人のさらなる選別とよりいっそうのシンガポール国民重視の政策となりましたが、これらの変更は会社の人事戦略や給与計算実務にも影響を与えるため、都度情報を更新しなければなりません

tmf提供=TMFグループ

TMFグループは世界に100以上の拠点を持つ会計・人事・法務事務代行のプロフェッショナルグループです。

シンガポール担当 萱場 玄(かやば げん)公認会計士/税理士

電話 +65-6808-1637 e-mail gen.kayaba@tmf-group.com

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.232(2013年04月15日発行)」に掲載されたものです。

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