シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXビジネスTOP経営者として「二つの足跡」を残すために成果に向かって課題を整理す...

グローバル時代の戦略経営 - Globalization as Learning

2014年2月17日

経営者として「二つの足跡」を残すために成果に向かって課題を整理する

先日、ある日系企業現地法人の経営者から「課題が多くて困っています。課題整理の相談にのってもらえませんか」と、笑顔で声をかけられました。この方は「あれも足りない、これも悪い」と問題山積みで困っているのではありません。経営を担う意味と正面から向き合い、何をなすべきかを必死で考え課題を創出している当事者の姿勢が、話の隅々から伝わってきました。

 
現地法人の経営者は、結果的に有限で経営を担う方が多いのは事実でしょう。有限を“結果的に”としたのは、任期終了というゴールは本社の意向次第ということから。さらには、経営の重要な方向性を決めるのは本社か、現地か、といった本社との関係性、一部門の管理職から現地法人経営者という飛躍した役割を担う重圧、日本の経験や常識が通用しないビジネス環境など、多くの制約が存在します。この経営環境下では、課題が多くなり、しかもそれぞれの課題が他と複雑に絡み合っていくのは当然のことです。

 
経営者は、言うまでもなく、トップリーダーです。リーダーとは、役職や権威を指すものではなく、リードする先(ミッション、ビジョン、戦略)を持ち、めざす姿に向かって会社をリードしているか、その事実・実態で評価される人です。冒頭の経営者が「課題を整理したい」と考えたのは、整理そのものが目的ではなく、リーダーとして成せる最高の成果を創出するために集中すべき課題を整理したいという理由からでした。これは、まさに戦略構築のプロセスそのものです。

 
現地法人は、しがらみや守るべきことが多い日本国内では難しいイノベーションを起こすポテンシャルを持っています。これからは、海外現地法人のリーダーが広くは本社をもリードする存在となり、現地法人の新しい成果が本社に影響を与えるということは、十分に起こり得るでしょう。現地法人の経営者としてどんな「足跡」を残すのか。「現地の市場・社会への貢献」と「日本本社を含めた会社全体への貢献」という二つの足跡を残すことを、私たちは全力で支援していきます。

文=高橋秀紀(たかはしひでき/Scholar Consult Asia Pte Ltd 代表)photo1

日本で約30年の歴史を持つ組織風土改革を専門としたコンサルティングファーム、株式会社スコラ・コンサルトの代表も務める。Scholar Consult Asia 公式ブログでは、戦略経営について、チームワーク開発、リーダーシップ開発、事業戦略開発、事業システム・プロセス開発の4領域から情報発信している。

 

Level 58 Republic Plaza 9 Raffles Place S048619
TEL : 6823-1237

※この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.251(2014年02月17日発行)」に書ききれなかった内容・補足をご紹介しています。

おすすめ・関連記事

シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXビジネスTOP経営者として「二つの足跡」を残すために成果に向かって課題を整理す...