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ビジネス4賢者が送る、成功への道しるべ

2014年10月6日

プレゼンテーション編〈第2回〉プレゼンスキル習得のためのゴールデンルール

「場数を踏めばプレゼンはうまくなる」結構よく聞く言葉ですね。一見もっともらしく聞こえますが、本当にそうなのでしょうか?
こういう方を思い浮かべてみてください。政治家、大学教授、中学の先生など。皆さん毎日のように大勢の人の前で話しています。日本一のレベルで場数を踏んでいるはず。なのに、全員が日本一のレベルで話上手ではないと思います。読者の中にも、ある先生の話し方や教え方があまりにもひどく、それが原因でその教科自体を嫌いになった人もいるのではないでしょうか?
もうおわかりですよね?「人前で話す場数を踏む」というだけでは、実はプレゼンは思ったほどうまくならないのです。ではどうすればいいのか?

 

今からご紹介する「プレゼンスキル習得のためのゴールデンルール」のサイクルを回すということなのです。ポイントは大きく3つあります。

 

1つめは、プレゼンの基礎を体系的に学ぶこと。その際大事なのは、プレゼンを「技術」と捉えること。ゴルフをマスターするプロセスをイメージしてください。ゴルフを習得したい人は「グリップの握り」や「スタンス」等、かなり緻密にそのスキルを研究しながら練習していますよね。
プレゼンもゴルフと全く同じです。要は、体系的に技術要素に分解して、1つ1つ積み上げ式に学んでいくことが肝要なのです。
だからといって、毎日プレゼンの勉強をしろ、と言っているのではありません。大事なプレゼンの前に少し勉強するだけでも効果は違うものです。実際私のセミナーを受けていただいた方の追跡調査をすることもあるのですが、セミナー後もプレゼンスキルが着実に伸び続けている人の共通項目があります。そのうちの1つが、定期的に学んだことを思い出している、要はプレゼンの勉強を継続的に行っているということなのです。
2つめのポイントは、場数を踏むこと。実は冒頭の言葉は、『場数そのもの』を否定していたのではありません。それ『だけ』では効果が薄い、ということなのです。相乗効果が出ないんですね。
私自身、若い頃は話下手ですごく悩んでいました。そんな時、ある人が珠玉のアドバイスをくれました。「積極的に人前に出て話して、いっぱい恥をかけ。かいた恥の数だけ話し方がうまくなる」。騙されたと思ってこれを実行してみました。はじめは全然うまく話せず、へこみまくりましたが、続けていくうちにいつの間にか「話し上手」と言われるようになり、気が付けば今の「プレゼンを教える講師業」の仕事についています。

 

3つめは、レビューすること。毎回の自分の発表・発言を振り返ろう、というものです。「自分の発表はわかりやすかったか?相手はやる気になってくれただろうか?」という風に振り返る、ということ。その際、プレゼンにおける技術要素に沿ってやるとより効果的です。「今の話のメインメッセージは明確だったか?」「対比のスキルは使えていたか?」「トーンの強弱はついていたか?」という風に。
上記のようなゴールデンサイクルを回していると、プレゼンはどんどんうまくなっていきます。ぜひそうやって、プレゼンの達人を目指してください。

 

nishino西野 浩輝(にしの ひろき)

マーキュリッチ株式会社代表取締役・チーフ講師。
プレゼンテーション(日本語・英語)や交渉術、リーダーシップなどのコミュニケーションが専門領域で、年間150日以上の研修を行う。著書は12冊。グローバル人材育成にも注力しており、シンガポールで定期的に研修を行っている。

ウェブサイト:www.mercurich.com

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.266(2014年10月06日発行)」に掲載されたものです。

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