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2004年7月13日

キヤノンのプロとしての自覚を持ち、オンとオフを切り替えています

キャノン・シンガポール 社長兼CEO 小澤秀樹さん

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「有言実行を心がけています」。
4月にキヤノン・シンガポールの社長兼CEO(南アジア・東南アジア)に就任した小澤秀樹氏は言う。「自ら宣言することで、やらざるを得ないように自分を発奮させる、そして人がやらないことをやる」という主義は、「もともとはシャイ」な性格だからこそ、なのかもしれない。「沈黙は金」の時代は終わったのだ。

 

 

「謙虚で控えめというのは日本人ならではの美徳ですが、国際ビジネスの場では通用しないと思っています」。
そのために小澤氏は、ビジネス上の別人格を作り上げ、「オン」の時は「キヤノンのプロ」として積極的に任務を果たすことを自分に課している。「人生にやり直しはききません。生来の性格に縛られて、やりたいことができないっていうのは、イヤじゃありませんか?」
昨年香港で行われたローリング・ストーンズのコンサートで、「オフ」ではひどく年老いたように見えるロッカーたちが、ステージでは見事に「オン」に切り替え、熱いパフォーマンスを見せたことに感銘を受けた。小澤氏が常々言う「プロとしての自覚」を見事に体現したステージだった。

 

 

「共生」を社訓に掲げ、カメラ・情報通信機器はもちろん、LBP世界シェア6割、複写機では最大手、躍進を続けるキヤノンで、主に海外を中心に活躍してきた。アメリカでの12年を皮切りに、シンガポール、香港。5年を経て、香港から再びシンガポールに戻ってきた。これまでの海外駐在生活は合計で24年になる。

 

 

なかでも世界三大商人と言われるユダヤ人、中国人、インド人とも対等に渡り合ってきたのが強みだ。交渉事では手ごわいインド人を黙らせた逸話の持ち主でもある。アメリカとアジアではビジネスの運び方も違う。アジア圏では率直過ぎないよう気をつけている。

 

 

「欧米人、とくにアメリカ人にはBecauseでアジア人に対してはBut論法で接しています」と小澤氏。欧米人には、単刀直入にまず問題を提示し、それから「なぜならば」と理由を述べる方式。アジア人に対しては最初にほめてから、「しかし」と改善すべき点について述べるのが効果的なのだ。アメリカ人は自己主張が強いと言われるが、ストレートに発言しても角が立たないという利点がある。アジア人は、概して面目を失うことを恐れて、率直に意見を述べるのが苦手。その分、対応には気を配る。

 

 

同じアジアの中華圏でも香港とシンガポールはやはり違う。たとえば、始めのうちは、シンガポール人の方が、香港人より社交的でフレンドリーに感じるそうだ。しかし、一見ぶっきらぼうで近寄り難い香港人も慣れると温かい一面を見せてくれるようになり、非常に快い付き合いができる。

 
「掃除のおばさんが、毎朝広東語でニッコリ挨拶してくれるようになるんですよ」。
しかし、香港人の話す英語の方がシングリッシュよりわかりやすいとのこと。英語に堪能な小澤氏だが、アメリカ生活で慣れた米語と、香港やシンガポールで使用される英語表現の違いに戸惑うこともあるそうだ。

 
まさに国際的な舞台で通用する洗練されたビジネスマンだが、実は元バックパッカー。これまでの旅で一番印象に残ったのは、ギリシャのミコノス島。大学4年の夏に2カ月をかけてヨーロッパを周遊した際に立ち寄った。空も水も限りなく青い背景に真っ白な風車と家が立ち並ぶ風景が忘れられない、と小澤氏は言う。キヤノン入社以降も、新人時代、サラリーマンとしての閉塞感を感じ、インドの悠久の歴史や哲学に惹かれた。上司に頼み込んで休暇をとり、インドを目指す。ボンベイ、ベナレス、アグラと、時には列車で24時間以上かけて移動。過酷な環境に身をさらし、自らに活を入れた。

 
キヤノンでは、地域販売会社に広告宣伝の全権限が任されており、CMなどは基本的にすべてローカル 制作だ。香港がSARSで揺れた2003年、小澤氏は大々的な支援キャンペーンを実施することを決定。街をキヤノンの広告とロゴで埋めた。シンガポールでは今回、より効果的なマーケティングのため、宣伝戦略の見直しを行う予定とのこと。シンガポールでも、また旋風を巻き起こすに違いない。小澤氏が統括するアジア地域でのキヤノンの更なる躍進が非常に楽しみである。

小澤秀樹(おざわ ひでき)

1973年キヤノン入社。アメリカ駐在前に結婚し、現在は1男1女の父。その間、赴任準備期間を除き、常に家族とともに駐在生活を送ってきた。ご息女ともにインターから日本の大学に進学。今回のシンガポールでは、愛犬の検疫が終了すれば、奥様と三人(?)暮らしとなる。
 

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